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牡蠣の養殖の時期|坂越の一年を暦で見る、冬の出荷まで

海に浮かぶ筏の近影。水中に牡蠣を吊るすロープが見える
筏の近く。水の中に、牡蠣を吊るしたロープが伸びています。

牡蠣を育てるといっても、一年のあいだ同じ仕事をしているわけではありません。季節ごとに、海の上の作業も、加工場の仕事も変わっていきます。

今回は、坂越の牡蠣の一年を「暦」の形で並べてみました。いつ育て、いつ出荷し、いつ加工するのか。冬の出荷を迎える前のいまだからこそ、一年の流れをまとめておきます。

冬の出荷から数えると、一年が見えてくる

坂越湾の牡蠣の一年は、出荷の時期で見ると、大きく4つの仕事に分かれます。まずは、その4つを順に見ていきましょう。

ひとつめは、冬の真牡蠣「坂越の生かき」です。殻のついたまま生でお届けする牡蠣で、出荷は例年12月中旬ごろから5月中旬ごろまで(年により前後します)。今季は、12月初旬〜中旬からのお届けを予定しています。ふたつめは、生のむき身の牡蠣で、11月中旬から4月下旬ごろまで。生かきよりも少し早く、冬のはじまりとともに加工場での作業が始まります。

みっつめは、夏のあいだの牡蠣「赤穂クリスタルブラン」です。6月から11月ごろにかけて出荷します。そして四つめが、春の冷凍加工。2月から5月ごろにかけて牡蠣を冷凍の商品に加工し、そのあと一年を通してお届けしています。

こうして並べると、一年のどの季節にも、海か加工場で牡蠣の仕事がある、ということがわかります。

暦で見る、坂越の牡蠣

暦を読むときのポイントがひとつあります。生かきやむき身は、出荷の時期とお届けの時期がほぼ重なる、生ものの商品です。いっぽう冷凍の牡蠣は、つくる時期とお届けする時期がちがいます。つくるのは春、お届けは一年じゅう。同じ「牡蠣」でも、商品によって一年の動き方がちがうのです。以下の表では、出荷の時期と製造の時期をあわせて並べました。

時期仕事・商品
12月初旬〜中旬(今季の予定)〜5月中旬ごろ冬の生かき「坂越の生かき」の出荷(年により前後します)
11月中旬〜4月下旬ごろ生のむき身の牡蠣
2月〜5月ごろ冷凍の牡蠣・加工品の製造(出荷は通年)
6月〜11月ごろ夏の牡蠣「赤穂クリスタルブラン」の出荷

この表は、出荷や製造の時期です。年によって海の状態が変われば、時期は前後することがあります。種を迎える月や筏に吊るす月など、育てる側の暦は、確かめたうえで、このページに書き足していきます。

水面に浮かぶ筏の枠と、ロープで留めた金具のアップ
筏の枠と、ロープを留めた金具。

吊るして育てる、冬の牡蠣

冬の牡蠣は、筏から縦に吊るして育てる「垂下式(すいかしき)」という方法で育てます。牡蠣をつけたロープを海のなかへ垂らし、波にゆれながら、海水のなかのプランクトンなどを食べて大きくなっていきます。上の写真の筏からも、牡蠣を吊るしたロープが海のなかへ伸びています。

牡蠣が育つ速さは、水の温度や餌の量によって変わります。そのため、作業の時期は暦だけで決めるのではなく、海の様子を見ながら決めていきます。

牡蠣が育ったら、船で筏から引き上げます。引き上げたら、そのまま出荷するわけではありません。殻にくっついた付着物を落とし、いったん海に戻します。この作業を「活かし込み(いかしこみ)」といいます。活かし込みの期間は、ひと潮(約14日間)以上。殻に刺激を受けた牡蠣は、殻を直そうとして身をふくらませます。私たちが活かし込みを続けているのは、この身入りのためです。

活かし込みのあとで、あらためて水揚げします。山のように積んだ牡蠣は、コンベアで水洗いしながら加工場へ運び、洗浄し、浄化をして、梱包して出荷します。浄化については、あらためて別の回で、現場でしていることを書きます。

生のむき身の牡蠣は、流れが少しちがいます。水揚げしたあと、すぐに殻をむき、洗って、大きさごとに選別し、パックに詰めて出荷します。むき身の仕事は、冬の加工場の大きな仕事のひとつです。次の回以降で、その様子もご紹介します。

こうした加工場の仕事は、むき身も、殻付きの洗浄や浄化も、坂越の加工場で行っています。海で育てた牡蠣が、同じ坂越の地で加工場に運ばれ、出荷に向かう。養殖から出荷まで、ひとつの土地のなかで進んでいくのが、私たちの仕事の流れです。

港で、船のクレーンから牡蠣の入った網がつり下がっている
牡蠣を水揚げして、網に入れ終えたところ。船のクレーンで網を吊り上げています。

夏の海と、春の加工場

冬の出荷が終わっても、海の仕事は終わりません。季節にあわせて形を変えながら、一年を通して続いていきます。夏のあいだは、「赤穂クリスタルブラン」を育て、出荷します。冬の牡蠣とは出荷の時期がちがい、6月ごろから11月ごろまでが出荷の時期です。

そして春は、冷凍加工の季節です。2月から5月ごろにかけて、冷凍加工場で牡蠣を加工し、冷凍のむき牡蠣などの商品に仕上げます。冷凍には、氷の結晶を大きくしないようにして凍らせる、プロトン凍結という急速冷凍の方法を使っています。春にまとめて作ることで、牡蠣を、一年を通してお届けできる形にしています。

暦を見渡すと、冬の生かきは、一年の仕事の積み重ねの先にあるものだとわかります。海のうえの作業、加工場の仕事、春の冷凍。それぞれが季節ごとに順番にまわって、はじめて一年がひとめぐりします。次回からは、この暦のなかの仕事を、ひとつずつ近くで見ていきます。海の上の一日も、加工場の一日も、写真といっしょにお伝えしていきます。

この季節の牡蠣

いまは、冬の生かきの出荷をひかえた時期です。坂越の冬の生かきは、12月初旬〜中旬からのお届けを予定しています。公式通販では、通年お届けしている冷凍むき牡蠣や加工品も、あわせてご覧いただけます。

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